04. 二人で朝寝坊 (シリウス)
目が覚めた。
どうしてこんなに頭が痛いんだ。
そうだ。
昨日はブラックと二人でマグルのゲームソフトである「大乱闘ス○ッシュブラザーズ」をした。
思いのほか楽しくて、そしてなかなか止められなくて、かなりの時間白熱したバトルをテレビの画面上で繰り広げた。
いつ眠ってしまったのかよく覚えていない。
寝惚けた頭で周りを見回す。
いつもは自分の部屋のベッドでの目覚めなのに、今日は珍しくリビング。
大方ゲームの途中で眠ってしまったのだろう。
上体を起こし、時計を見る。
そして私は絶叫。
「あああっ」
「何・・・」
私の絶叫に起こされたらしいブラックは、低い声で呟く。
「仕事っ、仕事に遅れるっ!!」
「朝から、何てデカイ声出してんだ・・・」
眠たそうな目を擦り、隣で眠っていたブラックは、頭を抱える私を見上げてぼやいた。
「時間!もう十時・・・・」
「って、お前今日仕事は・・・」
「あああ、どうしようっ、何て言い訳すればあsdfghjkl;:」
「、ちょっと落ち着け」
頭が真っ白になって、自分でも何を言っているのがよく判らないまま叫ぶ私を、体を起こしたブラックが宥める。
「あれを見ろ」
冷静な顔で彼が指差した先を辿ると、そこには我が家のカレンダー。
「今日の日付、よく見ろ」
今日の日付、今日は・・・、月曜・・・。
「・・・・・・あああー!!今日、休み・・・」
「だから、落ち着けって」
カレンダーの今日の日付が赤い丸で囲まれている。
失念していた。
月曜は私が待ちに待った久々の休みだったのだ。
だからこそ徹夜でゲームが出来た。
次の日に仕事があるのに徹夜でゲームするほど私は馬鹿じゃない。
何で気付かなかったんだ私の大バカヤロウ。
「あー、その、大声出して起こして、ごめん・・・」
「いや、まあ別に良いけどな。が慌てるなんて珍しい姿も見れたし」
「うあー恥ずかしい、今すぐ忘れて・・・」
顔が赤い。
一人で焦って一人で叫んで、何と言う失態を晒してしまったんだ。
穴があったら入りたい。
穴はないが布団はある。
私は布団に再び潜り込むと、上からブラックの笑う声が聞こえた。
笑われた、恥ずかしい。
「ま、誰にでも失敗はあるさ」
「笑った後にそんな良いこと言われたって全然心打たれないよ」
益々顔が赤くなる。
しばらく布団から出ることは出来そうにない。
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同居していると、流石に完璧の自分というのは見せられません。
題名に沿った話になっているのかどうか不安・・・。
結局寝坊じゃなかったし。
20070227