03. I'm home! (セブルス)

「セブルス、久し振り。突然だけど私をここに置いてくれないかな」

もう何年も前のことだ。
学生時代の友人の突然の訪問。
輝かんばかりのの表情を見て、私は頭が痛くなった。

「何故私が君に住む場所を提供せねばならんのだ」
「頼れる友は君だけなんだ、お願い」

顔の前で手を合わせて頭を下げるを、私は冷ややかな目で見つめる。
私が何も言わないからか、彼女は少し頭を上げた。

「勿論タダで置いてくれとは言わない。君が先生として学校に行く間、この家の掃除をするし、夏休みとかに君が帰って来たら、君のために食事も作るから」

家がどれだけ汚れていようとも、毎日三食食事をしなくとも、私に大した支障はない。
だからお前など要らん。
そう言って追い返せば良い。
けれど。

「・・・判った、構わん」
「ほんと?やった、ありがとうセブルス!」

歓喜のあまりが私の体に抱きつこうとしたため、私は思わず彼女の体を力一杯突き飛ばしてしまった。
は尻を打ったようで、酷いと呟き私を下から睨みつけていた。

「馬鹿なことしてないでさっさと上がれ。早速夕飯を作ってもらうからな」

何故彼女を家に上げたのか。
それは単なる友人のよしみだ、そうに違いない。

「これからここが私の家になるんだねぇ・・・、ほんとにありがとう、セブルス」

そう言うとは持ってきていた大きな鞄を持ち上げて奥へと向かった。


には余っていた部屋を与えたが、彼女は不満を漏らした。

「何この部屋・・・暗いし埃っぽいし汚いし暗いし」
「文句があるなら出て行っても構わないのだが?」
「・・・魔法があるんだから、掃除も簡単だね」




そして今日もは、買い物から帰って来た時、明るい声と共に玄関のドアを開ける。

「ただいまセブルス」

それに対して私は返事などしないが、はいつも嬉しそうに笑っている。
私はそれを不愉快だと思わない。






毎度毎度お題に沿えているのかどうか・・・。
何故主人公がセブルスの家にやって来たのかは特に考えてません。



20070310